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■医療ミニコラム
☆夜尿症
☆花粉症
☆てんかん
☆てんかんの治療
☆ことばをつかさどる脳の働きの話
☆ひきつけについて
☆頭を強く打ったとき
☆肥満について
★夜尿症
Q
七歳のADHD(注意欠陥多動性障害)男児のことで、ご相談します。
現在小学校二年生ですが、おねしょが、週に五日くらいあります。午前一時にすでにパンツが濡れている時と、明け方にしている時があります。三年生になると、林間学校があります。このまま、様子をみていてよろしいのでしょうか? 四歳の妹が、おねしょをしなくなったので、親のほうがあせっています。
※ほか、同種の質問が多数寄せられています。
A
1.同じ兄妹で、おねしょのなくなる時期に差があるのはなぜ?
心身の成長と共に、腎臓で作られた尿を溜める膀胱の容量が大きくなります。また、睡眠中に尿を濃縮する作用のある抗利尿ホルモンが適度に分泌されるようになって、夜間の尿量が少なくなります。さらに排尿を調節する自律神経や睡眠リズムに伴って分泌される各種ホルモンのバランスが整い、朝までおしっこがもつようになります。このように複雑な要因が関係し合って排尿機能が発達するため、おねしょの卒業には個人差が生じます。おねしょは、本人の意思とは関係なく起こることですから、しつけや本人のせいではありません。
2.検査や治療が必要?
小学校入学時に、夜尿(おねしょ)がある割合は、約一割と言われています。ADHD児では、その割合が多い傾向にありますが、原因は解明されていません。
夜尿症は、腎臓や膀胱・尿道などの泌尿器疾患、尿崩症・糖尿病・下垂体性小人症などの内分泌疾患や脊髄疾患等の症状として現れることもあります。
したがって、夜尿以外に、日中トイレに行く回数が多い、いつも下着が少し濡れている、身長の伸びが悪い、水分を沢山飲むなどの気になる症状がある時は、小児科または泌尿器科を受診なさってください。
3.紙パンツは嫌がるが、濡れていても起きない。 どうしたらいい?
日中のトイレトレーニングの時は、おしっこをして濡れたという不快感が、予めトイレにいくという動機付けになります。けれども、眠ってからの排尿は、自己コントロールできない別のことです。夜ぐっすり眠ることで、尿を濃縮する抗利尿ホルモンの分泌がよくなり、また膀胱に尿を溜めやすくなると考えられています。睡眠リズムを乱さないようおねしょしていても起こさず、パンツが濡れていたら、そっと換えてあげてください。
4.おねしょをしてもケロッとしている。もっと自覚を持ってほしいが……
「おねしょをした」ということは、小さな子にもわかる出来事です。しない時が○、した時が×。本人の意志に反して起こるこの事実に、朝目が覚めて、心にグサッとバッテンをつけられたような気持ちになります。ただ、哀しいかなそれをお母さんやお父さんに上手に伝えられません。また、おうちの方が自分のおねしょのことで悩んだり、心配したりしていることも、よくわかっています。ADHD児は表面的なことばや行動で、誤解を受けやすいですが、むしろとてもデリケートな面を持っています。妹さんに気づかれずに自分で濡れた物の処理をできるようお子さんと相談なさってください。また、紙オムツを嫌がる場合は、パンツのままで寝かせて、大人が眠る時に成人用オムツパットを使う(予め本人の了解のもとに)のも一案です。紙オムツの感触やギャザーがゴソゴソして嫌だったり、他の兄弟の視線が気になったり、気持ちは複雑です。
そして、寝る前には「おねしょじゃんじゃんしていいからね」と頭をなでて、何かひとつ褒めてください。お子さんは日中、学校で緊張することが多く、家でも褒めてもらう機会は少ないと思います(筆者も自分の子を褒めるのは苦手です)。さらに、おねしょをするのではないかという不安を抱えています。今日一日のストレスをぐっすり眠って解消するために、うれしい気持ちで心をいっぱいにして、安心して眠りについてほしいと思います。
5.食事や水分のとり方で気をつけることは?
夕食後の水分は、コップ一杯までに控えます。氷片にすると、口の乾きがゆっくりとれて少ない水分で満足感があります。水分制限を厳しくすると、洗面所や入浴時に水を必要以上に飲んでしまい、夜の尿量が増え逆効果です。
塩辛い物は、あとで水分が欲しくなります。スナック菓子や、夕食時の味の濃い味噌汁やスープ、スパイスのきいたおかず、塩辛、キムチ、漬物などは、控えるか、朝食昼食にとってください。
お茶やコーヒーだけでなく、果物にも利尿作用があります。また、甘い物や清涼飲料水、スポーツドリンクなども、あとで喉が渇きますので、夕食後は注意が必要です。
☆王子クリニックにおねしょで受診される方の三人に二人は、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎を伴っています。鼻の奥がつまっていたり、鼻水が喉のほうに下りたりしているだけですと、外見は目立ちません。けれども、喉に下りた鼻汁をきるために、咳のような声を出したり、口を開けがちで眠りが浅かったり、頭が重くてすっきりしなかったりという症状があります。そして、筆者も花粉症があるのでよくわかりますが、喉がとても渇きます。このような症状がある場合は、その治療から始めます。鼻づまりがよくなると熟睡でき、喉の渇きがなくなり、水のがぶ飲みが減ります。
便秘がちだと寝ている間に腸が動いた時、硬い便が膀胱を圧して排尿を促してしまうこともあります。また「冷え」も排尿機能に影響を与えます。
おねしょが、寝入りばなや午前二時くらいであったのが明け方一回になると卒業間近です。早寝早起きや日常生活の注意を守っても、おねしょが続く時は、きめ細かい生活指導や薬物治療が必要な場合もありますので受診なさってみてください。
(社)発達協会王子クリニック医師(非常勤)竹内紀子/(日本小児科学会専門医、日本東洋医学会専門医)
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★花粉症
花粉症は、スギやブタクサなどの花粉によって引き起こされるアレルギー反応により、目のかゆみ、鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどの症状が現れる病態です。
近年、花粉症の患者さんはとても増えており、赤ちゃんの花粉症も珍しくありません。特に今季は、スギの飛散量が大量ということで、スギ花粉症に対して例年より早い対応が必要です。
当院では、問診と診察の後、ご希望の方には血液検査を行なっております。(結果は1週間ほどかかります。費用は健康保険で6,000円位です)
治療としては、点眼薬・点鼻薬・抗アレルギー薬(アレルギー反応を抑える薬)のほか、漢方薬の処方も行なっています。
水っぱなが出なくても鼻づまりがひどいと夜眠りにくく日中不機嫌になったり、鼻アレルギーに副鼻腔炎を合併すると頭重や頭痛でイライラしたり、ボーッとしたり、ということが起こります。
お子さんの寝息が大きい、口を開けていることが多い、から咳や咳払いが気になるなどの時は、ぜひ一度ご相談下さい。
(社)発達協会王子クリニック(非常勤)/竹内 紀子(日本東洋医学会専門医)
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★てんかん
1)てんかんとは
人口のほぼ100人に1人といわれており、決してまれな病気ではありません。てんかんという病気は発作を主な症状とする慢性の脳の病気です。てんかん発作のおおもとの原因は、脳の細胞がいつもよりもたくさんの電気をだしてしまうことです。そしてその過剰な電気がいろいろな発作症状をひきおこします。脳の細胞は生きている限り微少な電気を出しています。この電気は非常に小さいので、頭に手を当ててみてもビリビリするわけではありません。
2)いろいろなてんかん発作
てんかん発作は異常な電気活動のおきた脳の場所によっていろいろな症状や脳波所見を呈します。なぜ場所によってちがうのかというと、もともと脳の表面(大脳皮質)が、場所によってちがった働きをしていて、分業をしていることに関係しているのです。
てんかん発作の原因となる病気(基礎疾患)は、脳炎の後遺症や頭部外傷など原因のはっきりしているものもありますが、多くのものは原因不明です。全く原因が見当たらず素因(てんかんになりやすい性質)によるものを特発性てんかんといいます。
また、もともと脳に障害があるとてんかんをおこしやすいといえます。たとえば脳性マヒや精神遅滞、自閉症などです。
(社)発達協会王子クリニック 洲鎌 倫子(小児科医)
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★てんかんの治療
1.抗けいれん剤による治療
てんかん患者さんの70〜80%は、抗けいれん剤(発作を抑制する薬)で発作を止めることができます。抗けいれん剤はてんかんそのものを治す薬ではないのですが、発作をおさえたり、予防したりすることによって発作をおきにくくします。てんかんの原因になる病気の有無や、発作型、発作の頻度などはひとりひとりちがいますし、薬に対する反応も異なりますので、適切な薬を適切な量、適切な期間のむことが大切です。抗けいれん剤はたくさんの種類がありますが、どの薬から使うかにはおおまかな基準があります。なるべく少ない種類の薬(できれば1種類)を、効果のある最少量で、しかも副作用の出ない量でのむのが理想ですが、充分量をのんでいるのに発作がとまらない場合や、副作用がでてしまった時などは、ちがう薬に変更するか、もう1剤加えたりします。
さて、抗けいれん剤をのみ始めることになったら、まずのみ忘れないことが大切です。風邪薬など他の薬との併用もかまいません。むしろ抗けいれん剤をその時だけ急にやめたりしては、発作をおこしかねません。ただしいくつかの薬は、服用中の抗けいれん剤に影響を与えることがありますので、医師に申し出たほうがよいと思います。
抗けいれん剤は1日2〜3回のみます。長時間効いている製剤なども開発されており、1回でいいものもあります。実生活に即したのみかたでないと結局効果があがらなかったりするので大抵は、1日2回ですが、難治なものや、1日中平均的に効果をあげておきたい時などは、3回以上のこともあります。食後の服薬が副作用を防ぐ意味でも、より長い時間効果をもたせる意味でも望ましいのですが、食事がとれない時でも抗けいれん剤はのみ忘れないようにしないと効果が落ちてしまいます。
抗けいれん剤をいつまでのむのかということについては、大体発作がとまってから3〜5年は必要です。早めに服用をやめるとやはり再発率も高いようです。
副作用としてとくに抗けいれん剤が過量な場合や多剤服薬している時に、眠気が強い、ぼんやりしている、反対に興奮したり多動になったり、からだがふらついたり、学力が低下したり、食欲がなくなったりといった症状や肝機能障害がでることがあります。
2.その他の治療
点頭てんかんという特殊なてんかんでは、ACTH療法というホルモン療法が効果的です。その他のてんかんでも使われることがありますが、ビタミンB6が効果を上げることもあります。
最近は漢方も使われるようになりましたが、それは単剤というよりも附加的に使われる薬です。小柴胡湯合桂枝加芍薬湯(しょうさいことうごうけいしかしゃくやくとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、などが使われます。
外科治療では、最近またその有用性が言われるようになってきましたが、手術というものは本人にとっても家族にとっても大変なことですので最終的な方法です。しかも適応になる例は非常に限られます。
(社)発達協会王子クリニック 洲鎌 倫子(小児科医)
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★ことばをつかさどる脳の働きの話
ことばでのやりとりには、いろいろな過程があり、その過程で脳はいろいろな働きをします。
脳の働きを簡単に紹介しますと、認知する(聞いてわかる)過程では、まず音を聞き、次にことばの音素として認知し、さらにことば全体、発語全体をとらえ、また視覚的に到達する情報(文字)をも効果的に統合して理解し、抽象的思考へと変換させます。 表出する(話す)過程では、話そうという欲求を深め、また目的観念を生じさせます(概念形成段階)。
次に発生に要する身体の器官を空間的にも時間的にもうまく使い、予めプログラミングされた様式に従ってことばを話させます。
これらの働きをするための中心的役割を果たす脳の領域は図に示したようにある程度想定されていますが、厳密にその役割が脳の一定の部位だけに局在しているわけではありません。特にことばを理解する、抽象的思考への変換、概念形成は前頭葉、側頭葉を中心とした大脳全体の機能と考えられます。
さらに複雑な心理過程と関連した言語活動全体はまさに脳全体のダイナミックな営みそのものと言えます。 構音(発声)には、錐体路系、錐体外路系、小脳といった運動を制御する中枢も密接に関与します。
*参考文献:田中美郷編著『小児のことばの障害』医歯薬出版
(社)発達協会王子クリニック・石崎 朝世(小児科医)
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★ひきつけ
ひきつけ、けいれん、発作、などいろいろな言い方がされますが、意味は同じで、突然に意識を失い、体の自由がきかなくなる状態のことをいいます。意識は完全になくなるものから、ボーッとする程度のものなど様々で、体のほうも突然ひっくり返って手足がガクガクするものや、動作が数秒止まるものなど個々でちがいます。
"ひきつけ"というのはひとつの症状であり病名ではありません。原因はたくさん考えられます。熱性けいれん、てんかん、髄膜炎、脳炎、頭部外傷、脳血管の病気などなど。たとえば風邪をひいた時に熱が出ますが、熱は咳やハナミズなどいろいろな症状のひとつで、ほかの原因でも熱がでるように、ひきつけという症状をもつ病気はイコールてんかんだけではありません。ですから、はじめてひきつけた場合はいろいろな検査が必要であり、原因をつきとめなければなりません。病気によってその後の治療が異なってくるからです。
さて、ここではひきつけた時の対処の仕方について述べたいと思います。だれでもはじめてひきつけたところを見たらびっくりするし、あわてるなといわれても無理な相談かもしれません。でもまずは「あわてるな」です。落ち着いてください。そして口の中に指やタオル、箸など入れないでください。舌を咬むことはないので、そういったものを入れるのはかえって危険です(発作の開始時に咬んでしまうことは稀にありますが、最中にはありません)。衣服をゆるめて楽な姿勢でねかせます。吐いた物をのむと窒息していしまうので体ごと横向きにします。そして余裕があったら時間をはかってください。さらに手足を突っ張っていたとかガクガクしていたとか目は上を向いていたとか、左右でちがいはなかったかなど様子をよくみてください。
熱性けいれんではほとんどのひきつけは数分で止まり命にかかわることはまずないのですが、5分10分と長引く場合はほかの病気が原因かもしれません。指示を仰いでください。
ひきつけが30分以上続くとけいれん重積といい緊急な治療が必要です。けいれん重積の原因としてはてんかんが多く、急性脳症、脳炎、髄膜炎がそれに次ぎます。ジアゼパムなどの静脈内投与や全身の管理が必要です。まずはけいれんを止めて、原因となった病気の治療を並行して行います。
★頭を強く打ったとき(緊急時の対応@)
階段から落ちたり転んだりして、頭を打った時に、病院へ行ったほうがよいかどうかの判断は次の点を参考にしてください。
@頭を打った直後からぐったりして呼びかけにも反応しない時は、脳挫傷が疑われますので、すぐに救急車を呼んでください。
A頭を打った時すぐに泣き、意識がはっきりしている場合。
「こぶ」ができていたらタオルや氷嚢などで冷やします。「こぶ」は頭蓋血腫といって頭蓋骨の外側にできます。冷やすと数時間のうちに小さくなります。その後、ふだんと特に変わりなく遊んだり、食べたりしていれば、そのまま様子をみてください。
ただし、次のような(B、C)場合もありますから、頭を打った日、時刻、その時の状況などは記録しておくとよいでしょう。
B頭を打った直後は何ともなくても、数時間経ってから、吐いたり、いつもと違うぐずりかたをしたり、意識がはっきりしないような時は、すぐに脳外科のある病院を受診してください。頭蓋骨の下に血がたまってきた可能性があり、その場合、至急手術をする必要があります。頭を打ったときからじわじわと出血してきできた血の塊が、脳を圧迫して症状が出てくるまで4日〜7日くらいかかることがあります。従って、保母さんや先生など日中お子さんをみている人にも注意してもらうようお話ししておきましょう。
C頭を打ってから1ヶ月以上立ってから吐き気や頭痛を訴えたり、ふらつきが目立ったり、左右の手足の動きがぎこちない様子の時は、慢性出血の可能性がありますので、脳外科を受診し、それまでの経過を説明して、検査をしてもらってください。
(社)発達協会王子クリニック・竹内 紀子(小児科・内科医)
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★肥満について
肥満が関与して成人病につながることはよく知られており、特に高血圧、高脂血症から動脈硬化、成人型糖尿病、脂肪肝などが高率に発生することが知られています。
【予防と治療】
●運動療法 急激な運動を短期に行うよりは、軽度〜中度の運動を持続的に行う方が皮下脂肪の燃焼には効果があるといわれています。
●食習慣 乳児期に食べが悪く、体重増加が悪い場合でも、無理やり食べさせる必要はありません。あまり積極的に食べないために、食べやすい炭水化物主体の、口当たりが良く軟らかいものばかり与えがちですが、将来偏食傾向を招きやすいので、繰り返し何でも食べさせるように心がける必要があります。
●薬物治療 肥満に直接対する薬物治療は、原則として行いません。運動療法や食事療法の調節で、肥満の治療を行うのが原則です。
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